再会

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スヴェンさんが森へと入ってから随分時間が経つ。 マコトは足元にあった石を蹴った。 痺れを切らしそうだ。 何かナイトに良くないことがあったのでは? あれだけ威力のあったものを止めたのだから何かあってもおかしくない。 しばらくすると遠くからガサガサと草をかき分ける音がしてきた。 それは次第に大きくなり、ナイトがスヴェンさんと会話しながら森から出てきた。 「ナイト、大丈夫!?」 マコトはナイトの姿を見ると慌てて駆け寄った。 大丈夫、、、ではないか。 軍服の袖は破れて腕は赤く腫れ上がっている。 複雑骨折?何? とても痛々しい。 自分の顔がひきつるのがわかった。 「お嬢様こそ、お怪我はありませんでしたか?」 いやいやいや、 「人のことを心配してる状況じゃないって!早く行こう!」 「こちらの魔剣ですが、、、」 「ねぇ、これって私の魔力をナイトにあげたら治るの?」 「私の腕、、、ですか?」 他に何があるんだ!と思いながら長身の彼を見上げた。 「私とお嬢様の魔力の相性は悪くはありませんが、良い、とは言えません。それより、こちらの魔剣は持つだけでしたら今のところは何の影響はなさそうですので」 そう言ってナイトはボロボロの手で魔剣を渡してきた。何が「それより」だ。それどころじゃない。 「あー、ありがとう。はい!」 それを受け取り、そのまま横にいたエリアスに流すように渡す。 金髪の彼は一瞬困惑したようだが、左手でそれを受け取った。 「しかし、どうして魔剣がこういった形で」 今度はスヴェンさんが口を開いた。 バカ!それどころじゃないんだって! 「向こうの国王と取引した。私が逃げ切れることができれば魔剣をくれるって。」 私は早口で答えた。 「なるほど。」 「なるほど、ではないだろ!」 納得するナイトにすかさずスヴェンさんが突っ込む。 スヴェンさんはツッコミキャラ。メモメモ。 ってそうじゃない!! 「ナイト、今すぐ救護の馬車に行って!!」
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