魔剣

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【3日後】 先頭でしんがりが持つ旗が風に揺れる。 てっきり5人くらいで行くのかと思いきゃ、合計30人という大所帯だ。 ちょうど3列目にいるのだが、後ろからの威圧感がものすごい。 左にナイト、右側にエリアスが居てくれる分安心だが。 初めは馬車に乗るように促されたのだが、それは丁重にお断りした。 馬車なんて恥ずかしすぎる。 まるで貴族じゃん! と言ったら御者はポカーン と口を開けていた。 ナイトはいつもの様に生真面目に 「陛下、あなたは貴族よりうんたらかんたら~ハンマーカンマー」 と言っていた。 それにしても、馬に乗るのは久しぶりだ。 乗り心地は決していいとは言えないが、嫌いではない。 乗っている白馬を撫でる。少し固めの毛はきれいに整っていて艶がある。 ベストコンディション。 ってか、エリアスがこの白馬に乗った方が王子っぽくてよほど絵になるんだけどなぁ。 それにしてもこんなに人いるのかなぁ、、、 その辺の落とし物を拾いに行く感覚で考えていたが、実はものすごく大変なことなのだろうか? 魔剣を守るモンスターとかドラゴンが実はいるのかもしれない。 「陛下、恐れ入りますが、出発の合図を。」 ナイトが申し訳なさそうにこちらに言う。 この隊列を組んでしばらく経つ。 何待ち?とか思ってたけど、そうだよね、私が出発の合図をしないとみんな進めないよね。 「、、、え、私がするの?」 聞いてない!!!! クラウディオにあらかじめ聞いておくべきだった。 えいえいおー!って言えばいいの? いやいや、それは流石にないか。 後悔しながら、隣に助けを求める。 「え、えーと?」 「わかったよ。僕が言う。」 エリアスがにこりと微笑む。 はい、神。 「出発!!!」 7dbfc8ec-7dcc-4af1-a251-1d97fda89352
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