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「エーリック?」
ランプの揺れるオレンジ色の火の光を頼りにマコトは剣の柄に刻んである文字を読んだ。
一泊することになった宿屋のベッドの上にマコトは座った。
「そうみたいだね。」
マコトが持つ魔剣をエリアスが覗きこむ。
「聞いたことないな。」
窓辺から外を見ていたスヴェンさんはこちらに目線を移して腕を組んだ。
「城に帰ったら調べてみましょう。もしかすると魔剣の能力が書かれている昔の資料に載っているかもしれません。それまではそれを発動させるのはやめて頂ければ有難いです。」
そう言うナイトはいつもの深緑色の軍服だ。
白色の軍服はボロボロになっていたし、ブーツも足を踏ん張って魔剣を取ったときに底が磨り減ったらしい。
白色の軍服姿も新鮮で良かったけれど、いつもの姿の方が見慣れているからか、こっちの方がナイトらしくて落ち着く。
一方、エリアスは白の軍服のままだ。
エリアスは袖が擦りきれてはいるが、着れない状態になるまでは着ているようだ。
この軍服が誇りだとか何とか言っていた。
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