魔剣

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・・・・・・・ 「おかえり、ナイト。」 「はい、お嬢様。」 にこりとこちらへ笑うナイトの口端に目がいく。 「ナイト、口の端が切れてるよ。どうしたの?」 そう言うとエリアスも反対側から身を乗り出して、ナイトを見た。 ナイトはそれを即座に隠す様に血を指で拭い、傷を魔力で癒した。 どう見ても殴られた跡だ。 つかみかかられたのだろうか。 軍服も少し乱れている。 「どこかで切ったようですね。」 そう言いながらこちらを見て微笑んだ。 「そっか。」 隣ではエリアスが何かを言いたそうにしていたが、しばらくすると諦めたようだった。 ナイトの過去に何があったかは知らないが、事あるごと兵から喧嘩を売られているのは知っている。
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