隣の席の五十嵐くんは。

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* 「五十嵐くんが、今日もむかつくよ……」 放課後に立ち寄ったスーパーのお菓子売り場で、私は友達のユカに愚痴を漏らした。 目の前の陳列棚には、美味しそうなチョコやキャンディが並んでいる。 「あんたもさすがに懲りようよ。数学が自習になるとか、絶対嘘だと思ったもん」 「ええっ!?それ朝に教えて欲しかったんだけど!?ユカも一緒に聞いてたよね?」 「本当に騙されるとか思わなかったし」 「騙されるよ!私、五十嵐くんに騙されなかったことないんだもん!」 「そうだね。胸を張って言うことでもないけどね」 その言葉に反論したくても出来なかったのは、後ろからフッと吹き出す笑い声が聞こえたから。 振り向くと、そこにいたのは噂をしたばかりの人物が。 「長谷見って、一応騙されてる自覚はあったんだな」 「五十嵐くん……」 いけない。 顔を見ただけで、ムッとしてしまった。
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