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「やっぱり、長谷見って面白いな~」
やっぱりって何だ。
日常的にそんなことを思われていたとは。
……何となくわかってはいたことだけど。
「ねえ、ちょうどいいから、五十嵐くんも一緒にお菓子選んでよ」
「なんで?何かに使うやつ?」
「五十嵐くん用のお菓子だよ。今日騙された分で全部なくなっちゃったから。どうせなら、五十嵐くんが好きなの買おうかと思って。どれがいい?」
五十嵐くんは、キョトンと私を見る。
そして、口に手を当てて顔を背けた。
「五十嵐くん?」
顔が見えなければ、表情も読めない。
彼の顔を覗こうとすると、その前に、震えている肩で全てを悟った。
「俺用って……、明日からも騙される気満々とか……」
息も切れぎれになるほどに笑わないで欲しい。
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