隣の席の五十嵐くんは。

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これだから、私って奴はいつもいつも。 さすがに自分に嫌気がさす。 放課後になれば、もう今日は騙されないと思っていたのに。 大体、なんで五十嵐くんは私ばっかりーー ガサッと音を立て、重ためのビニール袋が頭に当たり、思考が強制的に停止する。 いなくなったはずの五十嵐くんが、また私の隣にいた。 「もう、どこ行ってたの?……なにこれ」 頭に乗せられたビニールを見ると、お徳用のたくさん入ったチョコレート。 「買ってきてくれたの?」 なんて、ちょっと感動した私がバカだった。 「ん」 と、五十嵐くんが、私に向かって右手のひらを差し出している。 あ、なんだ、普通にお金とるんだ。
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