番外~草原の花咲く丘で…~(後編)

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・ 「マナミ?…っ…」 「やだ違うわ、誤解よ!何も怒られてなんていないから」 「怒られていない?……なんだ…そうか…」 笑いながら答えたマナミにザイードは堅い表情を崩した。 ホッとしながらもザイードは後ろにある厩舎を見る。 「じゃあさっきの大声はなんだ?」 「ああ、あの大声ね。それが……」 愛美は言ってもいいものか悩みながら口を開く。そして、事の経緯を話すと母が発した言葉をザイードに伝えた。 ザイードは愛美の話を聞いてゆっくりと目を見開いた。 「……守る…」 「うん」 「そう言ったのか母が……」 「うん」 安心した笑みを浮かべたザイードに愛美も嬉しそうに返す。 ザイードは静かに呟いた。 「……“母親の気持ちは母親にしかわからない”……か…確かにそうかもしれないな……」 ザイードは自分の言葉に黙って頷いた愛美を見つめる。 「そうだな……変えていかなければならないな……如何に長く受け継がれていたとしても……不必要とあらば、変えて行かねばならない……」 ザイードはそう言葉にして前を見つめる。 腕は愛美の肩を抱いたままだ。
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