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「案というほどのものではありませんが……」
おさつスティックを食べる速度と比較するとかなり控え目な調子で沙月が切り出した。
「二人が気体、固体を出したので、私はやはり液体かな、と」
「別にそこにこだわりはいらないが、液体となるとやはりお湯か?」
「はい、オイルも案としては考えたのですが、その後のシャワーで落としきれない可能性を考えるとやはりお湯を使うのが一番かと思います」
「しかし、それでは普通だな」
「そうですね。そこで二人の考えたように身体に良い要素を入れます」
「ほう?」
「例えばショウガですね。ショウガは昔から生薬としても使われていますし、香りも親しまれているので消費者の受けもよいと思います」
「確かにな。だが、ライバル社の商品にもショウガを使用しているものがあるし、あまり目新しいものではないな」
社長が首を傾げると沙月は「それだけではありません」と息を荒げた。
「ここに発酵食品を加えます。具体的には酒と醤油です。最近の健康市場は発酵食品を推す傾向にありますので、必ずいい結果が出ると思います」
「ほほう、それはいいかもしれないな。他には入れないのか?」
「入れます。ここにさらに片栗粉を加えます。アルファ化されたでんぷんが加わることでお湯にトロミが加わり、身体が温まるのを助けてくれます」
「」
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