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石田の高島への想いは、石田自身はどう理解しているのだろう? と。
だが、すぐに草刈はその疑念を振り払い愛美との会話を続けた。
「偉そうに言ってくれるな、石田。まるで私は若くして人生を達観しましたよっていう感じの意見だな」
「そんな居丈高に言っているつもりはないわよ。ただ心配なの。私は呑気に実家の花屋を継いで好き勝手に仕事しているけど、俊太郎は会社で働く勤め人でしょ。まあ、ほとんどの人は会社員やOLな訳だけど、私は所謂、自営業だからあんまり社内の人間関係とかの苦労とか知らないし、残業のストレスとかも分からないからさ」
「はは、残業のストレスとか、ね。ま、サービス残業は多少あるけど、ブラック企業が叩かれるこのご時世だから、そこまでハードなノルマは課せられていないよ。社畜のように扱われたら、直ぐにネットで黒い噂がその社内の人間から発せられて、さらに拡散されたりして会社のイメージが悪くなったりするし、それこそ労働基準監督署なんかに睨まれたら大ダメージだからね。俺の会社としては飴と鞭をうまく使い分けられて働かされているって感じだな。元気だよ」
「本当? 過労自殺とかしない?」
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