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アイツがただのクソ野郎だったら俺はたいして人を見る目がないからイイが、人を見極める慧眼がある石田が長い間一緒にいる訳ないからな。自分が納得いかない人間に対しては、損得関係なく、例え自分の立場が不利になっても、独りぼっちになったとしても、ガンガン口にも行動にも出しちゃうような人間が石田だ。気持ち良いぐらいに、スバっとスッキリと。まあ、その分気性はキツい部分があるけど。
草刈はそんな思いを抱き、口角を上げ気味に、ふう、と息をした後、店の窓から街路にて過ぎ行く人々の景色を窺いながら、
「それにしても今日は実家の花屋の仕事は休んじゃって大丈夫だったのか。一応は石田が正式に引き継いで店長になっているんだろ。土日だったら客で混むんじゃないか?」
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