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私がついさっきまで使っていたピンクのマウスで画面をスクロールさせて、くまなくチェックしている。
これでOKをもらえるかどうか、びくびくしながら判定を待っていると。
「ここまではいいよ。でも、もう一枚追加で作んなきゃダメっぽいな。まだ年間行事予定が学校から出ていないから、最低限保護者が学校へ来る行事と始業式・終業式くらいは学年通信で先に伝えておかないと。保護者も予定が立てられなくて困るぞ」
「あ……そうですね。でも私、まだ最新版の年間行事予定はもらっていないんです。甲賀先生、お持ちですか?」
「確か主任会議でもらったのがこのあたりにあったような……」
そう言うと、甲賀先生は積み上げられたプリントの山の中を探しはじめた。
下手に手伝おうとすると、雪崩を起こす危険性大、かも……。
私はただ黙って、甲賀先生のプリント発掘作業を見守るしかなかった。
黒いアディダスのジャージを着た背中が、私の方に向けられる。
背が高く筋肉質で、学習発表会ではバック絵の張り替えなど、大道具係として重宝されるタイプ。
やや伸びかけた髪の毛は軽いくせ毛で、たまに跳ねていたりもする。
それが、年の割に若く見える顔にぴったりで、年上の男性には失礼だと思いつつ、こっそりその髪の毛を直してあげたくなってしまう。
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