4月の行事予定 大きな上司と小さな私

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 私がついさっきまで使っていたピンクのマウスで画面をスクロールさせて、くまなくチェックしている。  これでOKをもらえるかどうか、びくびくしながら判定を待っていると。 「ここまではいいよ。でも、もう一枚追加で作んなきゃダメっぽいな。まだ年間行事予定が学校から出ていないから、最低限保護者が学校へ来る行事と始業式・終業式くらいは学年通信で先に伝えておかないと。保護者も予定が立てられなくて困るぞ」 「あ……そうですね。でも私、まだ最新版の年間行事予定はもらっていないんです。甲賀先生、お持ちですか?」 「確か主任会議でもらったのがこのあたりにあったような……」  そう言うと、甲賀先生は積み上げられたプリントの山の中を探しはじめた。  下手に手伝おうとすると、雪崩を起こす危険性大、かも……。  私はただ黙って、甲賀先生のプリント発掘作業を見守るしかなかった。  黒いアディダスのジャージを着た背中が、私の方に向けられる。  背が高く筋肉質で、学習発表会ではバック絵の張り替えなど、大道具係として重宝されるタイプ。  やや伸びかけた髪の毛は軽いくせ毛で、たまに跳ねていたりもする。  それが、年の割に若く見える顔にぴったりで、年上の男性には失礼だと思いつつ、こっそりその髪の毛を直してあげたくなってしまう。
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