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やっと出来上がった学年通信二枚を印刷室へ回して、ちょっとだけ休憩。
職員室の隅っこに置いてあるコーヒーメーカーからマイカップに注ぎ、自分の席に戻る。
甘党の私は、もちろんお砂糖をたっぷり入れた。
「俺も休憩しようっと。ふぁ~、疲れた」
甲賀先生が大きなあくびをひとつ。
見ていた私にもそれがうつり、同じくふぁ~っと声を出したら笑われた。
「コーヒー飲んだら教室設営に行くぞ。学年通信作ってもらったから、体で払ってやるよ」
いつも冗談が多い甲賀先生ならではのその表現に思わず私も笑ってしまう。
「甲賀先生の体で払ってもらえるんですか? 助かります! 通信作って良かった~」
猫舌の私がコーヒーを飲み終えるのを待ってもらい、三階の六年生教室へ向かった。
同じ階には五年生の教室と児童会室、通級教室と少人数教室、それに空き教室がひとつ。
かつてこの学校は一学年四クラスあったけれど、少子化の影響で児童数が約三分の一に減ってしまった。
ただでさえ寂しい三階校舎だけれど、子どもの姿がなくなる長期休業中は寂しすぎて怖いほど。
作業する教室だけ暖房を入れて、冷えきった廊下を甲賀先生とふたりで歩く。
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