4月の行事予定 大きな上司と小さな私

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「先に教室で作業を始めて欲しい。俺もちょっと自分の教室にモノを運ぶから」 「はい、それじゃあ、お待ちしていますね」  まだ殺風景な教室に、ひとりでいるのは結構寂しい。  甲賀先生、早く来てくれないかな、などと思いつつ、さっきの会話を思い出してくすっと笑う。  ここに六年二組の子ども達三十人が座り、賑やかに学校生活を送る様子を思い浮かべながら、ロッカーと机と椅子に名前シールを貼る作業を開始した。  この校舎は、築三十年近く経過していることもあり、結構寒い。  なかなか暖まらない教室で、寒さに震えながらのシール貼り作業は、手がかじかんでスムーズに進まない。  やっと全てのシールを貼り終わったちょうどその時、教室のドアをノックする音が響いた。 「はい」 「さて、何をして欲しい?」  にやっと笑いながら、教室へ入って来た甲賀先生に、私は遠慮せずにどんどんお願いする。
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