4月の行事予定 大きな上司と小さな私

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「まず、学校教育目標をこっちに貼って欲しいんです。それから、発表のしかたのポスターをここに。あとは……」  次々に掲示物の張り替えをお願いする私に対して、甲賀先生は嫌な顔ひとつせず作業を進めてくれた。 「そのちっちゃな身体だと大変だもんな。ところで藤田ちゃんは身長どのくらい?」  あまり言いたくないけれど、私は小六女子の平均身長より低い。 「……百五十二ですけど。甲賀先生は?」 「百八十二だよ。俺達、ものさし一つ分違うんだな。トシはちょうど十違うし。そう考えると、藤田ちゃんがちっちゃくて可愛いって思えるぞ」  三十センチも違うのであれば、きっと見えている世界も違うだろうな、と想像した。 私が百二十二センチの小二女子になったのと同じくらい、違って見えるんだろうな、なんて。 「甲賀先生が羨ましいです。私も大人になったら大きくなるはずって思ってたのに、中一で身長が止まっちゃったんですよ」  可愛い、なんて言われて照れくさいので、そこには触れずにいたというのに。
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