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6毛むくじゃらで 四つん這いの生き物
同じ形をしたやつを探す事を決心した彼は
虫達みたいに
沢山の同じ形と一緒に
歩いたり
ご飯を食べたり
おいかけっこしたり
夜には大好きな
光る粒と大きな丸を眺めたり
想像しただけでも
彼は興奮していた
一人じゃないんだと
想像に夢中になりすぎて
周りを見ていなかった
彼の前を素早く横切る影が見えた
びっくりした彼は
側の木に
身を隠し
その影を覗きこんでみた
そこには
毛むくじゃらで
四つん這いで歩く生き物がいた
自分の体をなめ回している
体をなめ回しながら
ゴロゴロゴロゴロ
変な音を喉元から鳴らしている
とても穏やかな顔で
フカフカした
枯れ葉でくつろいでいた
パキッ!
彼は何かを踏んで
音を出してしまった
ゴロゴロしていた音が止まった
クンクンクンクン
毛むくじゃらで四つん這いの生き物が
こちらの方を気にしているようだ
彼は毛むくじゃらに興味はあったが
なにせ初めて見る生き物なので怖かった
彼は意を決した
そーと
手を上げて
毛むくじゃらで四つん這いの生き物に
自分の存在をアピールしてみた
シァァァァ!!!!!!
毛むくじゃらで四つん這いの生き物の
全身の毛が上に向かって立ち上がる
表情はさっきのゴロゴロ鳴らしていた顔とは
まるで違っていた
口は牙を剥き
今にも飛びかかって来そうだった
ダメだあの鋭い牙で
噛まれる
………………
恐怖のあまり彼は意識を失った
気がつくと
毛むくじゃらで四つん這いの生き物は
目の前から消えていた
何か分からないが嫌な気分だった
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