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7 二本の足で立つもの
何とか危機は脱出した
ふにおちないが
助かった
少しは警戒を覚えたのだろうか?
きっと彼は
またやってしまうだろう
キーキーキーキー
頭上から聞いたことのない音がする
頭上には木々が
生い茂っている
彼は目を凝らし音がした方を見上げる
ガサガサガサ
葉が揺れ音を出す
何かに囲まれた
沢山の気配が彼の頭上にある
キーキーキーキー!
ギャーギャーギャー!
バサバサバサバサ
太陽の光が木の間から差し込み
上の気配の正体の邪魔をする
ボコ!
何かが頭に当たる
下を見ると
大きくて硬い木の種だった
これが飛んできて彼の頭に
当たったのだ
クラクラしている彼へ
また種が飛んできた
ボコ…
ボコボコボコ…
キーキーキーキー!!!
これは投げつけられている
これは頭上の気配が自分に投げているのだと
彼は理解した
頭に何発か当たり
意識がもうろうとしている
頭から温かい液体が垂れてきた
自分の頭から出ている
片膝をついた時
気配達は
その距離を一気に詰めてきた
キーキーキーキー!!!
すぐ近くで気配がする
目に温かい液体が流れ込み
視界を
さえぎりはじめた
何とか
目を意識を
しかし彼は両膝をついてしまった
気配はもう目の前にあった
さえぎられかけた
視界の前には
二本の足で立つ
何か達がいた
彼はもうろうとする
意識で手を広げた
自分と同じ形
二本の足で歩くもの
鳥達や虫達が
一人ではなかったように
仲間だと
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