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なんとか終電に間にあって、家の最寄り駅まで着いた。
駅から歩いて約十五分。
やっと自分の住んでいるマンションにたどり着いた時。
「うわっ!!」
俺は驚いて声を上げた。
何故ならマンションの外階段に、女の子がぐったりとして座り込んでいたからだ。
見るからに体調が悪そうだ。
「あの…」
「…」
声をかけるも反応はない。
生きてる…よな……?
こんな夜中にやめてくれよ…。
内心ドキドキしながらもその人に俺は声をかける。
「あの…?大丈夫ですか?」
夜中でも蒸し暑いこの季節。座っていても外にいるだけで体力が奪われてしまう。
「あの…?」
何度声をかけても、相手から応答がない。
どうしたものか…。
「っ…」
どうすればよいか頭を悩ませていると、かすかに彼女の声が聞こえた気がした。
「大丈夫ですか…?」
「寒いっ…」
こんな暑いのに、目の前の女の子は確かに「寒い」と言った。
俺の聞き間違えかとも思ったけど、うずくまって座り込んでる彼女を見ると、嘘をついているようには見えなかった。
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