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『寒い』って、もしかして熱でもあんのか…?
「ちょっと失礼しますよ…?」と彼女に断って、軽く額に触れてみる。
俺が触れると彼女の身体が震える。
「あっ…すみません」
無神経に触ったことを後悔した。
見知らぬ人に触れられたら気持ち悪いか…。
ってか、この人熱がある。確実に熱い。
「ほっといて…ください…。大丈夫なんで」
彼女が顔を少し上げてそう言う。
「いや…でも…」
こういう場合、どうすればいいんだ…?病院に連れていくにも、近くに夜間診療やってる病院なんてないしな…。
「救急車呼びましょうか」
このままほっとくってわけにはいかねぇしな。
「えっ…?」
彼女がパッと上を向いて視線が重なり合う。
彼女の黒目が微かに揺れていた。
「君、熱あるみたいだし…」
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