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ふわっと、夏独特の生ぬるい風が身体を包み込む。
ふと空を見上げると、星がいっぱい散らばっていて綺麗だった。
明日も予備校に行かなくてはならない。
さて、部屋に帰るかと踵を返した時だった。「うっ…」とうめき声が聞こえてきたのは。
何だろうと思い、声がする方へ行くと、さっきの女の子がうずくまっていた。
マンションの玄関から数メートル離れた電信柱の陰の死角にその子はいた。
俺は慌てて、彼女に駆け寄る。
「大丈夫ですか…!?」
「……」
声をかけるも、彼女からの返答はない。
軽く肩に手をかけて、ゆすってみるも反応はない。
咄嗟に、彼女の額に手を当てると先ほどとは比べ物にならないほど熱かった。
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