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去年と比べ物にならないくらい暑い今夏、俺は予備校に通う浪人生だった。
自分自身何の目標もなく、親が選んだ大学を受験して失敗したからだ。
水島 新(みずしま あらた) 十九歳。
俺の家は教育に厳しい家だった。
小学生の頃は学校が終わるとそのまま塾に行って、塾から帰ってきたら学校の宿題をしてその後予習と復習をする。
それをしないと寝かせてもらえないほど、勉強にうるさかった。
中学生になると段々と自我が芽生え、親に反抗するようになったが反抗するだけ無駄だった。
当然、俺の意見は聞き入れてもらえず、小学生の頃と変わらない生活を中学生でも送った。
俺は物心ついた時からずっと、勉強ばかりのつまらない毎日を過ごしていた。
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