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入学してしばらく経つと、河野も含め一緒にいる仲間が段々増えていった。
「今日はどうする?」
「何でもいいよ」
学校の屋上につながる階段が俺らの溜まり場だった。
その場所で俺たちはよく授業をサボっていた。
「じゃあ、カラオケでも行くか」
「そうすっか」
遊ぶ時は人数が多い方がいい。遊び歩く毎日が楽しくて仕方なかった。今までつまらなかった日々が急に色づいったような気がしてたのだ。
しかし、永遠に遊んで暮らせるわけはない。何事も始まりがあるようにいつか終わりがある。
そんな楽しい日々が終わりを迎えたのは俺たちが高三になってすぐのことだった。この時期になると、当然みんな卒業後の進路を意識するようになる。それは俺の周りにいた仲間も同じだった。
時が経つにつれ、仲間達は受験勉強に就活と忙しい日々を送り、溜まり場に集まる回数も減っていった。
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