12人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、何も進まないまま今に至る。
あの頃の俺は、高校を卒業してもたいして変わらないものだと思っていた。
しかし、そんなはずはない。
あの時、一緒に遊び歩いていた仲間はそれぞれ大学や専門学校に無事合格し、自分の目標に向かい人生を歩み始めた。
一番の問題児だった河野でさえ、『自動車整備士になりたい』という大きな目標を持って専門学校に入学した。
それぞれが、人生の選択をしたのだ。気がつけば、現実を見て見ぬふりをしていた俺だけが取り残されたのだ。
当然のことだが、両親は大激怒。俺が大学に落ちてからは顔を見合わせれば喧嘩ばかりした。
俺はそれに耐えられなくなり、バイトで貯めた金で高校を卒業してすぐに家を出た。
最初のコメントを投稿しよう!