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家を出た今でさえも、何を目標に持てば良いのかわからない。
今はただ、落ちてしまった大学をもう一度受けること、それだけのために生きている、そんな感じだ。
高校を卒業して少し経ったある日、一回だけ皆で集まったことがあった。
『大学でフットサルのサークルに入った』
『会社の先輩が厳しくて』
『明日テストがあるんだ。最悪、全然勉強してねーよ』
と、皆自分の近況を口々に語り始めた。それを聞いていると、俺はぽっかりと心に穴が空いたような気分になった。
皆には目標があり、夢があり、希望がある。でも、俺には何もない。
そのキラキラとした眼差しに後ろめたさを感じて、俺は高校の時の仲間と距離をとってしまった。
次第に連絡も少なくなり、今ではほとんどなくなった。
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