【R18】手探り(クラウル)

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 ゼロスがそっと伸び上がって、唇に触れる。噛みつくような強引さのあるキスは、すぐに舌を差し込んでくる。  それに、クラウルは応じた。互いを貪るように最初から激しく絡め合うキスに、熱が生じる。たまらず、クラウルは片手でゼロスの頭を引き寄せた。そしてより深くを探るように差し込む。飲み込み切れない唾液が口の端からこぼれていく。  離れた時には、少し酸欠気味だった。ゼロスの頬にも自然、赤みが増したように思う。  彼は溢れたものを腕でグッと拭うと……何故か恨みがましい目で睨んできた。 「あの、お付き合いの経験はないのですよね?」 「ない」 「…遊んでらしたんですか?」 「いや?」 「…何でこんなに上手いんだ」  カッと赤みが増していくゼロスを、クラウルは察し悪く眺めている。普段は相手の心理を探る事に長けているというのに、ここではゼロスが何を言いたいのかサッパリ分からなかった。 「ゼロス?」 「…キスが上手かったので、経験がない訳じゃないんだと…」  視線を大幅にそらし、俯き加減に言ってくる事にクラウルはようやく理解した。そして平然と言ってのけた。 「仕事だからな」 「仕事?」  俯けていた顔が上がり、ゼロスはマジマジとクラウルを見る。クラウルはそれに、ニヤリと笑って頷いた。 「暗府は潜伏し、情報を得る事が仕事だ。つまりは…」     
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