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今、クラウルは明確にゼロスと関係を持とうとしている。奥底からわき上がるような熱に身を任せようとしていた。
誘い込むように腕を引き、暴れない事をいいことにベッドに上げた。
ゼロスは大人しく従い、それどころか自ら衣服を脱いだ。そして、誘うように片腕を伸ばし、クラウルの黒髪へと梳き入れた。
「衝動的な目も、するのですね」
「いけないのか?」
「俺、色気ありませんけど」
「そのお前に欲情しているんだ。十分だろ」
クラウルもまた、衣服を脱いだ。互いに肌を触れあわせると、熱くなっているのが分かる。
差し込まれる手の内側にキスをして、軽く舌を這わせる。ヒクリと腕を引くゼロスは、やはり敏感だ。
「やはりお前、敏感だ」
「…そんな事はなかったはずです」
「では、教えていこう」
腕を引いたまま、クラウルの唇は首筋へと落ちた。確かめるように触れる指先を、細く伝うように使っていく。中指でツッと撫でるラインは、確かに筋肉質な部分では反応が薄い。
だが…
「んっ!」
驚いたような甘さを含む声が響く。クラウルはあえて胸は素通りした。おそらく感じるだろうと思ったから、今はいい。そのかわり指は割れた腹筋を、そして臍の辺りを撫でた。
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