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ゾクリと背が震える。視界が狭まる様な感覚に、クラウルは気づいて首を左右に振った。
悪い癖だ、これは尋問じゃない。そう簡単に人の尊厳を踏みにじり、プライドをズタズタにするような事をしてはいけない。それが、大切にしたいと思った相手ならなおのこと。
唇を引き結んで声を殺すそこに、クラウルはキスをした。甘く優しく割り開き、口腔を弄る。熱い吐息が漏れて、やがて従うように絡まっていく。
「プライドが高いな、お前も」
「こんな…想定外…」
「俺が股を開くか?」
問えばびっくりした顔をゼロスはする。少し間抜けな顔に笑った。そうするとせっかく機嫌が直ったのに、また拗ねた顔をされる。
「…もう、腰が立ちません」
「では、いつでも挑戦を受けよう」
赤くなってそっぽを向くゼロスを笑い、クラウルは更に行為を進めた。
硬く尖った胸を舌で転がし、吸い付いて更に遊ぶ。同時に硬く先走りを流す強張りの先を撫でるようにする。ぬるりと滑る先走りを撫でつけると、短く喘ぐようにゼロスは息を吐き出した。
シーツを掴む手に力が入って震えている。耐えているようなその表情は、どこか踏み切れずにいる。目を瞑るその目元に、クラウルはキスをした。
「最後まではしない」
「え?」
「お前が俺なしではいられないと思うまで、猶予する」
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