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ランチまでまだ少し時間があるので、和美と一緒に実家へのお土産を買ったりしていると、いい時間になったのでランチをした。
12時43分。
和美は駅のホームまで見送りに来てくれた。
「私さ、8月にお姉ちゃんの結婚式で大阪帰るねん。そん時さ、梅田か神戸で会おうよ。」
「うん、そん時また連絡ちょうだい。」
アナウンスがホームに響き渡った。
明日香が乗る新幹線が速度を落としながらホームに入ってきた。
「じゃあね、明日香。元気でな。」
「うん、和美もな。あー…帰ったらお父さんに何言われるやろ…。」
「どこの家もお父さんうるさいの一緒やなぁ。」
「東京まで行って結局辞めて帰ってくるんやったら、最初から関西おったらよかったやん。って言われた…。はぁ、都落ちや。」
「ははは!武者修行やったって思ったら!でもさー、東京出てきてから親のありがたみってつくづく思うよな。そんな小言を言うてくれる人って親ぐらいやん。」
「そうやな……。じゃあ、行くわ。またね!絶対連絡してよ!」
「うん!じゃあね!」
和美に見送られて新幹線に乗り込む。
それから扉が閉まり、ゆっくりと走り出した。
和美は新幹線が動いてもずっと手を振っていた。
新幹線は次の品川に向けて速度をどんどん上げて行く。
明日香は指定席へ向かう。
窓側を取っていたので、既に座っているサラリーマンに一言声を掛けて座った。
窓からは東京の高層ビルたち。
ああ、いよいよ神戸に帰るんやなぁ…。
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