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15時30分を少し過ぎた、新大阪駅の改札前。
新幹線の中から、迎えに来てくれる兄にそのぐらいに着くとメッセージを送った。
やはり、土曜日の上に春休みだからだろう。家族連れからカップル、観光客で駅はごった返していた。
人混みを抜け、邪魔にならない所まで来てから、兄に電話をする。
「明日香ー?着いた?」
「うん、兄ちゃん何処おるん?」
「マクド。場所分かる?」
"マクド"か。なんか懐かしいな。ずっと"マック"だったから。
「分かった、行くわ。」
電話を切り、目的地目指して、人混みをかき分け歩いて行った。
「明日香!」
マクドナルドの付近まで行くと、2人の子供を連れた男が明日香に向かって手を振っていた。
すぐ上の兄である関口孝雄(せきぐち たかお)だ。
一緒にいるのは姉の子である遥香と斗真だ。
明日香に気付いた遥香は、一目散に駆け寄ってきた。
「お帰り!明日香ねえちゃん!」
「おばちゃんやろー?大っきくなったなー。小学生やっけ?」
「うん!次2年生!」
前に帰省したのは入社1年目のお盆休みの時だけ。あの時まだ幼稚園の年少さんだった。あれから4年は経ってるわけだから、そりゃ大きくなるわ。
「斗真ー!明日香ねえちゃんやでー!」
遥香に手を引かれ、兄と甥の側まで行く。
斗真は前に帰ってきた時はまだ1歳かそこらだったはず。覚えてないだろう。
「遥香、斗真小さかったから覚えてへんと思うで。斗真、明日香おばちゃんやで。」
兄の足元にしがみ付いている斗真の目線に合わせてしゃがみ込む。
姉からの話では誰にでも懐くから、ちょっと心配。とは言っていたが、やっぱり恥ずかしいのだろう。
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