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「鶏のお団子おいしい…。」
斗真は明日香の隣で、ほわぁ〜っと顔を緩ませていた。
この子将来、呑兵衛になりそうやなぁ。お父さんも姉ちゃんも、お酒好きやから。
「塩レモン鍋って美味しそうやね。」
左側には先程まで大輔が居たのだが、気付けば由希奈が座っていた。
「先輩、鶏団子めっちゃ美味しいですよ。悠理さんのお手製です。」
「えー、先輩っていうの止めようよー。」
「何て呼んだらいいんですか?私は明日香でいいですよ。」
「んー…遥香と斗真にはゆきちゃんって呼ばれてるんやけど。」
「じゃあ………ユキさん。はい、どうぞ。」
「うん、ありがと。明日香ちゃん。」
明日香からお玉を受け取り、由希奈は鶏団子や白菜、豆腐を自分の小鉢によそった。
「って兄ちゃん呑んでるやん!?」
ふと、奥のテーブルを見ると、孝雄が彩子からビールを注がれていた。
「大丈夫!明日香ちゃん!私が運転するから!」
すかさず悠理が明日香に告げた。
「泊まらないんですか?」
「それは山々やねんけど、私も孝雄さんも明日は仕事やから……。次はちゃんと泊まりに来るね。てか、孝雄さん、呑みすぎんといてよ?明日、仕事やねんから。」
「うん、大丈夫大丈夫。」
「大丈夫って、この間もそうやったやんかー。ウチのお父さんのせいでもあるけど…。」
すっかり夫婦のようなやり取りをする孝雄と悠理を、両親はニコニコしながら見ていた。
「悠理ちゃん、もう嫁に来たらどないや?」
あかん、お父さんちょっと酔っ払って来てる。
「お父さん、タイミングっていうのあるんやから。そんなせかさんと…。でもいつでもウチはウェルカムやで!」
お母さんも若干、酔っ払ってるな。機嫌よくビール流し込んでた思ったら……。
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