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食後のお茶も終わった頃、孝雄と悠理が帰るというので、住人たちも各部屋へ戻って行った。
「じゃあ今度は泊まりに来るね。」
「はい!気を付けて下さい。」
孝雄から車のキーを受け取った悠理は帰って行ってしまった。
外まで見送った明日香は遥香と手を繋いで部屋に戻った。
「遥香、そろそろお風呂入りよ。春休みやからって夜更かししたらアカンで。」
「うん!じゃあ明日香ねえちゃんも一緒に入ろ!」
「そうやな。」
リビングに戻ると、母と姉が片付けをしており、ソファで斗真が船を漕いでいた。
父が見当たらないので、さっさと自分の寝室に行ったんだろう。
だったら斗真も連れて行って欲しかった…。
「明日香、遥香。もうお風呂入って。」
「うん。」
「明日香、今日は斗真と寝るん?だったら遥香と斗真の部屋に布団持っていくけど?」
「うん。斗真、おばちゃんお姉ちゃんとお風呂入ってくるから先寝てて。」
「う〜ん…。」
子どもに10時過ぎは眠いだろう。
起きそうにない斗真を抱え、明日香は遥香の案内で部屋まで運んだ。
部屋に入ると2段ベッドがあった。斗真は普段下で寝ているらしいが、今日は明日香と寝る!と宣言していたからどうしようか。
後ろから涼香が布団を持ってやって来た。
1度、ベッドに下ろし布団を敷き、枕を2つ並べる。
そこに斗真を寝かせ、布団を首まで掛けてやった。
お風呂から上がり、遥香の髪を乾かしてやると、遥香も船を漕ぎ出した。
時刻は11時前。小学生には眠いだろう。
髪が乾く頃には遥香は熟睡していた。
お風呂に入る前に歯磨きは終わっているので、そのままベッドまで運んだ。
あー…重たくなったなぁ。そりゃそうか。もう2年生だもん。
流石に上の段までは運べなかったので、下の段に遥香を寝かせた。
明日香も髪を乾かし、母と涼香に挨拶してから、斗真が寝ている布団に潜り込む。
あ〜…あったかい。
斗真を湯たんぽの様に抱きしめて、明日香も夢の世界へ旅立った。
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