管理人さんしたら?

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神戸に帰ってきてから2カ月近く経とうとしていた。 実家に帰ってきてから、時間が経つのが早い…と感じたが、東京で仕事していた頃は時間がそれだけ濃密だったのかな?と思ったりもした。 寒の戻りで冷え込んだ3月、肌寒かった4月と打って変わって、5月に入ると急に暑くなり、中旬になると真夏日が続いた。 慌てて衣替えしたよ、暑いもん…。 私は実家のアパートで正式に管理人さんをすることになった。 某漫画で得た知識しか持ち合わせていなかったから、最初はてんやわんやしたが、管理会社や委託業者のフォローのお陰で何とかやって行けそうだ。 "アパートの管理人"って、掃除やら駐輪場の整理やら各階の照明の点検やらで良いと思ってたんだよ。それ以外にもやることあるんだね。 アパートから少し離れたところに、駐車場まで持ってるからそっちも見ないと行けない。 ああ、子供の頃、よく遊んでたあの空き地ウチのだったんだー、と呑気に思ってた…。 その間に、3階の彩子先生の元旦那さんが訪ねてきた。改めて"彩子先生ってすごい…"と良い意味でも悪い意味でも思った。 (彩子先生の話は"別れた旦那が訪ねて来ました"に書いてあるから、読んでみてね!ってここで宣伝みたいなのをしておく。) 宅建の資格の勉強は相変わらず。ちんぷんかんぷん。よし!専門の所で勉強しよう!と勝手に奮闘したけど、よく分からないからそのままダラダラ…。別にいま困っていない。 それ以外は変わらない。いや、変わった事と言えば、横山さんのことを"順ちゃん"と呼ぶようになったぐらい? 明日香が"順ちゃん"と呼ぶ度に、順一は忠犬の如く、尻尾をブンブンと振って駆け寄ってくる。 明日香は何か犬みたいと思い、思わず頭を撫でそうになる手を引っ込めた数いざ知らず……。
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