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「明日香さん、絶対俺のこと犬みたいって思ってそう…。」
「駆け寄る姿なんか実際、犬やで、忠犬。」
順一の部屋では、シェンメイ、由希奈、そしてロイが酒盛りをしていた。
「三宮に新しくカフェ出来たんです。俺、甘いの好きなんですけど、どうも男だけで行けるようなとこじゃなくて…。良かったら一緒に行きませんか?」と勇気を出して明日香を誘ったら、OKの返事を貰えた。ウキウキしながら、いざアパートの階段を降りると、明日香の隣に当然のように、遥香と斗真がいた。いや、遥香も斗真も好きだし、それに大いに楽しんだ。
三宮の東遊園地(遊園地と名前はついているが、公園である)で4人で鬼ごっこしたりして楽しかった。
そりゃもう全力で遊んだよ……。
「出来れば2人でって言えば良かったやん。」
「そんな勇気、俺には持ち合わせていません…。」
ヘタレめ!と順一を除く他のメンバーは思った。
「サヤコ先生言うてたけどさー、順ちゃんって元ヤンやろー?ヤンキーやったら、いざと言う時は気合と根性で乗り切ってきたんちゃうん?」
若干酔っ払っているような由希奈は、項垂れている順一の肩をバシバシと叩いた。
そう言えば、由希奈も元ギャルだったな。
「えー…。」
「いまがその時やねんて!明日香ちゃん可愛いからさー、横から掻っ攫ってかれるでー!椎名さんとかー!」
「師匠は…あー……どうなんやろ…。」
「椎名さんは無いわー!明日香との接し方見てたら娘みたいな感じやもん。」
「あ〜……恋愛って難しい…。」
グラスに残っているビールを一気に飲み干した。
「あれや!あれ!漫画でも言うてるやん!乳を出せ!心の奥底に眠る精神的なおっぱいを!!」
酔うと由希奈はおかしな事を言い出す。
「俺、おっぱいないもん……。」
「アホか!ホンマに出せ言うてへんわ!精神的に出せ言うとんねん!」
シェンメイとロイは、生暖かい目をして元ヤンと元ギャルの精神論を聞いていた。
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