素麺って便利だけど、量が多いと消費に困る

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まだ5月だというのに、真夏日が続いている。 今日も最高気温30度超えの危険な暑さ。水分補給はこまめに!室内にいる時は出来るだけクーラーをつけて涼しくしましょう!と付けっぱなしにしているテレビのお天気お姉さんが視聴者に呼び掛けていた。 明日香は高校時代のジャージを膝までまくり上げ、半袖のTシャツも肩が出るようにまくり上げた。髪はポニーテールにし、前髪もピンで止める。 とにかく今日も暑い!! 今日は休みということもあり、順一は商売道具とも言えるカメラのメンテナンスを行なっていた。 慌てて出した扇風機を付け、部屋の窓を全部開けっぱなしにしているが暑い。 クーラーを付けようと思ったが、電気代が心配だ。それに今から付けてたら夏本番どうすんだ…。 玄関の扉も全開にし、リビングの扉も開けっぱなしにすると、風の通り道が出来たので、割と涼しくなった。 「順ちゃーん!!いまいいー??」 廊下から明日香が自分を呼ぶ声が聞こえて来た。 カメラをテーブルに置き廊下に出ると、明日香が脚立と蛍光灯2本持っていた。 「ごめん、休みやのに。3階の蛍光灯替えたいから手伝って?」 「うん、明日香さん持ちますよ。」 「ありがとー。」 最初の方は警戒されているんだろうな、と感じていたのだが、今はすっかり慣れ親しんだもんだ。 明日香は順一のことを、"ちょっとアホなイケメンやけど良い子"としか見ていない。順一が明日香に惚れているなんて思いもしないようだ。 2人で3階に上がり、順一が脚立に乗る。 蛍光灯を外し、明日香に手渡すと、明日香は新しい蛍光灯を渡してきた。そしてそれを付け替える。 「助かったー!ありがとう。あ、順ちゃんお昼食べた?」 「ううん、まだです。」 「素麺いっぱい貰ってん。良かったら食べる?」 「え?良いんですか?」 「うん、遥香も斗真も飽きたー!言うて食べへんもん。」 「じゃあ……頂きます。」 「うん、部屋の戸締りしてきてな!鍵は開けとくから入ってきて。」
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