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「僕、前世はきっと地獄谷のサルだったのかもしれない」
一緒に湯船に浸かりながら、小4の長男、暁人が寛いだ表情で言う。
さっきまでぎゃーぎゃーと騒いでいた小2の行人と年長さんの幹人が嵐の様に風呂から脱出していったので、暁人は漸くしっかり手足を伸ばせて気持ち良さそうだ。
…なのに、なぜ前世?
…なぜ、サル?
よくしゃべる弟たちに圧倒されるのか、我が家で一番無口な長男に続きを促す。
弟達のいない今なら、ゆっくり話を聞いてやれる。
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