愛実の場合

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今日も、息を(ひそ)めて 何も、起こらないように 気を(ゆる)めたら、ダメだ。 鬼が、近づいてくる。 泣いても、喚いても、誰も助けてくれない。 痛いって叫んでも、やめてって叫んでも うるさいと鬼は、だまれと悪魔が 髪を引きずり回して、ところ構わず 殴って、蹴ってくる。 鬼と悪魔の決まり文句は 「お前さえいなければ」 「お前さえ生まなければ良かった。」 「グズ、ノロマ死んでしまえ」 ワタシだって、何故生きているのかさえ わからない。 雪が降る中、裸足で、セーラー服も ボロボロなまま、鬼と悪魔に 放り出された。 ボロボロになったわたしをみても 誰も、見向きもしない。 遠巻きに見つめる視線から 逃れるように、いつも、行く公園に よろよろと歩いていた。 絶望的なまま、もう、生きたくない。
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