田崎真琴の場合

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田舎から、18の時に、この都会に出てきた。 親と友達には、めちゃくちゃ引き留められたけど、 俺には、役者になりたいて、夢があった。 だから、諦めきれずに、二十歳になったいまも、アルバイトをしながら、 いろんな雑誌を読み漁りながら、 オーディションを受けまくっている。 大概(たいがい)何か、一つ足りないだの、顔だけじゃ、演じきれないと無駄とか、学芸会を見に来た訳じゃないとか 自己紹介をして、挨拶をしたら、 帰っていいよ。と言われたこともある。 劇団を探して、いろんな舞台だって見に 行ったりしたけど、俺に、足りないものとか、分かるわけもなく アルバイトを増やしたところで 家賃払って、光熱費なんか払ってたら、 微々たる金額しか、残っていなくて 食べることで、いっぱいいっぱいだ。 ふと、求人雑誌に、残っていた ホストの求人に、目が入った。 ホストの求人には、寮つきで、 月に、五十万も、夢じゃない!! あなたのやる気で、バンバン稼げます! 最低でも、月18万~25万+指名料金 あなたのやる気を是非メビウスに!! 胡散臭い感じもしたけど、面接だけでも、受けてみようと思った。
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