16人が本棚に入れています
本棚に追加
後ろの席に自然と座る桜木くんも、数分前の私の如く、机に突っ伏して顔を隠す。
「椿原ってさー、いつも眠そうだよな」
やっぱバレてるか。仕方がないのですよ。毎朝早起きして家の花屋の手伝いして学校に来てるからさ。
「へへ。眠り姫って呼んで」
おっ。我ながら親しくなれるきっかけ作ったんじゃない?あだ名に”眠り姫”を希望するなんてセンスの欠片もないけどさ...。
「わかった。姫にする」
ん。”眠り”を削除しただけなのに、なぜだろう。”姫”って呼び名、なんだか愛されてる気がして、幸福感でいっぱいになってしまうのです。なんとおめでたい簡単女なのでしょう。
「くすぐったい」
「は。何それ。お前結構おもしれー」
これがしばらく続く甘い放課後の始まりだった......ーーーー。
ーーーと、一日目のラストはこんなものでは終わりません。というか、終われない。
このあと、素敵なイケメン王子が後ろにいるというのに、凝りもせず私は再び眠り姫と化しました...。
そして。なんと、本日2度目の夢と現実の狭間をさまよっていた時のこと。私の耳元で桜木くんがそっと囁いた。
「姫の寝顔、すげーかわいいよ。じゃあまた明日」
それは桜木くんからの呪文の言葉なのかもしれないと思った。なぜならその囁きを聞いた途端、心地よく眠りの世界へと誘われて行ったのだから...ーーーー。
最初のコメントを投稿しよう!