誰もいない放課後ーー最高級の言葉ーー

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ところでなぜ私が窓際、前から3番目の席で待っているのかと申しますと...。 親友亜香里を待つことにしたのは、約1ヶ月前のこと。放課後の誰一人いない夕日の差し込む晴れの日の教室がたまらなく好きで、亜香里を待とうと決心した。最初の何日間か廊下側に近い自分の席で、眠り姫状態で亜香里を待っていた。 しかし、ある日の朝の情報番組の占いをきっかけに、事態は一転したってわけです。 その日の双子座の占い結果に釘付けになった理由。それは。 【放課後の教室。窓際の前から3番目の席に座ると恋愛運がアップ!】と書いてあったから、過剰反応したのでした。 待つならとことんそうしようと、その日だけではなく、これからも続けようと決意し、今日に至っているというわけであります。 恋愛運もアップしちゃったしね。あの奇跡的ともいえるロマンチックなシチュエーションは、占いの効果としか思えない! もう薄々、というか、割とわかりやすかったかもしれませんが、私が一方的に片想いをしている相手というのが、我がクラスのイケメン王子・桜木くんなのですーーーー。 「何ぼーとしてんの?考え事?」 「ううん。今日の夕飯何かなーって」 「食いしん坊バンザイ」 「う...」 他愛のない話なのに、こんなにまでドキドキしてしまうのは、今日の放課後もさりげなく私の後ろに座る王子のせい。 ふあーっと欠伸をするその顔でさえイケてる君は、なんて罪深い人なのだろう。私はどこまでも君の虜として成り下がるしかなくなるではないか。と、心の中で苦言を呈す。
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