黙ってコソコソ

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なんだか力が入らないまま真っ直ぐに健太を見る。 「なぁ、健太…訊くんだけど」 「何 ?どした?」 健太が不思議そうに見てくる。 そりゃそうだよな。 俺がこんな風に元気ないなんて、しかも神妙な面持ちで訊いてくれば、さ。 「神、こっち見てる?」 コソッと訊くと、健太は目をパチクリさせた。 「はぁ?!」お前、自意識過剰じゃねぇの?王子の、」 「バカァッ!!声でかい!!」 慌てて黙らせると、俺の本気を見てとったのか、健太がコクコク頷いた。 よし、そうだ。黙ってくれ。 「え…マジどしたの?」 健太も俺と同じようにコソコソ顔を近づけて問いかけてきた。
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