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ヤツは180は軽くありそうな長身を若干屈めながら、教室へと入ってきた。
入り口付近の女子は、入学して一月は経とうとしているのに、未だにキャーキャーと声にならない声を上げてる始末だ。
「チッ」
前の席の小野が、舌打ちしたい気持ちも分かる。
なんちゃって雰囲気イケメンの小野。
今のままじゃ、お前の出番はないもんな?
そう。
ヤツが何故有名かというと、イケメンだからだ!!
小野とはワケが違う、レベルがラベルが違うイケメンだからなんだ!
ヤツは自分に注がれる視線には慣れているのか、いつもの様子で席へと着く。
俺の席の2つ横にドカッと腰かけた。
脚が長いので、通路側へと邪魔そうに伸ばして悠々としている。
イケメン滅べ!!!
そんなヤツの名は『神 煌也』という。
不公平極まりない素敵な名前となっていた…くそうっ!
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