潰れたカエルじゃない

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ううっ、痛い…グスンッ。 俺は地面と「こんにちは」をしながら、痛みに耐えた。 そして、思う。 きっと今、俺は潰れたカエルの格好でいる。と…。 いつまでもこの恥ずかしい格好で居るわけにいかず、プルプルしながら起きた。 立ち上がると体についた砂をはたき落とす。 怪我は…オッケー大丈夫そうだ。痛いけど。 「とにかくハッピーを探さなきゃ」 ハッピーは何故か知らないが、散歩でプリッと出してスッキリし暫くすると、急に走りたくなる衝動に駆られるらしい。 でも、いつもは俺が踏ん張って耐えると諦めてくれるんだけど、今日は諦めず二度も強く引かれた。 全く予想していなかったから、ハッピーのリードから手が離れてしまったという失態。 ハッピーは中型から大型の間位のサイズで、ちょっと大きめだけど、愛嬌の塊な誰にでも尻尾を振る犬だから噛んだりしないし、吠えかからない。 その点は大丈夫なんだけど。 それでも、知らない人からすれば怖いかもしれない。 「ハッピー!!ハッピー!?」 俺はハッピーが走っていった方へと、急いで探しに向かった。
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