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 わたし、こうやって空を見るのいつ以来?  桜に惹かれて見上げたけど、ずっと地面ばかり見ていたんだ。  桜が泣くから、わたしがどんなに酷い状態だったか気づいちゃった。気づきたくなかったな。  違う。  わたし、本当は人生を諦めていた。  流れに逆らわず、どこへ行くかもわからないままに、されるがままの人生。それを当たり前に受け入れようとしていたんだな、わたし。 「あの会社は咲川さんを人間として見ていません」 「……そうかもね」 「俺は、咲川さんが何もしていないのに。その、暴言を吐くのは……」 「短大卒ってやつ?」 「それ、です」  気遣ってくれているのか、柳瀬くんは短大卒って言葉を避けるように言う。  その優しさに触れたら、少しだけほっとしてしまった。 「ありがとう。もう大丈夫だから」  わたしは押しのけるように柳瀬くんから離れる。立ち上がって、何でもないように笑ってみせた。
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