雨上がりの恋 【頼人目線】

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「頼人、お前この前会った時はなんも言ってなかったのにいつの間に婚約したんだよ!しかも相手が片桐だったとはな。」 隣に座るのは、一番仲の良かった男友達の和田。 こいつとは中学で再会してから、俺が日本を離れるまでもずっと仲が良かった。 大人になってからは疎遠になっていたけど、仕事でこっちに3ヶ月お世話になっている時に取引先相手として偶然再会し、何度か一緒に酒も飲みに行った。 そこで急遽、小学3・4年の時のクラスで同窓会をしようという話になったのだ。 「あ!てことはもしかして昔、ハートのクッキーあげた相手が片桐だったのか?」 酒が入り、一段と声のボリュームが増した和田がとんでもないことを言いやがった。 確かに昔、何かの罰ゲームだったと思うけど恥ずかしい過去エピとしてその話をした事はあった。 それをまだ覚えていたとは。 少し離れた女子テーブルの方にまで聞こえていたらしく、みんながその話題に食いついてきた。
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