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ドアを開けると、みんなの視線が一斉にこっちを向いた。
いつも教壇に立ち子供達に注目されているとは言え、こういう注目のされ方はやっぱり苦手らしい。
半身を隠すように俺の後ろに立つ美優。
そして一瞬の静寂の後
「頼人ー!婚約おめでとう!!」
「おめでとう!美優ちゃん、頼人君!!」
みんなが集まってきて、口々に俺たちにお祝いの言葉が投げかけられた。
隣の美優は案の定驚き、言葉も出せずに固まっている。
俺たちが付き合っている事実は誰も知らないと思っていたんだから、当たり前だ。
しかも婚約だなんて、一体誰のこと?といった状態だろう。
俺自身この短時間の間に、さっきのあの一言がそこまで膨らむとは思ってもいなかったけど。
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