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理沙は本堂の周りを慌てながら歩き、身を隠す場所がないか辺りをきょろきょろ見渡した。
はっ!この中しかないか、どうかお願い鍵なんてかかってませんように…
さい銭箱を置いてある、本堂の木製の引き戸に手をかけた。ススーーと木製の引き戸は開いて、黒い靴を履いたまま土足で上がり込んだ。また開けた引き戸をススーーと元に戻した。本堂の広さは9坪、畳にすると18枚分だからさほど広くはなかった。
夜の暗闇に慣れた目でも暗すぎて何も見えない。理沙は黒いハンドバッグの中からライターを取り出して、カチッカチッと火をつけた。
うわっ!凄い、なによこれ…
ライターの炎の先に置かれた物は、高さ2メートル
横幅1、5メートル程の木製の木箱だった。
木箱の中には高滝神社の御神体がまつられていた。
高滝部落では子孫繁栄を願い、木製の男根を神様にしていたのである。
男根の長さは、5尺(150センチ)太さは1尺(30センチ)誰が見ても立派な神様だった。理沙が驚くのも無理がなかった。
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