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WATARIDORI
― 多種多様な鳥が映し出される。
異様なほどの近距離で。
羽ばたく筋肉の動きまで見える。
数千キロ、種によっては南極から北極までを移動する渡り鳥たち。
列をつくり、懸命に羽ばたき、上昇気流に乗り、はるか上空から地平を見渡す。
太陽と星と、小さな体に備えられた磁場を感知する能力を頼りにして、美しくも過酷な自然環境の中を、ただひたすらに飛び続ける。
目的地に辿り着くために。
怖ろしいのは、彼らがそれを本能で行っているということ。
飛ばない、という選択肢は彼らにはない。
飛び立つ時期が来れば、迷いなく飛び立つ。
たとえ旅の途中で命を落とすことになるとしても―
『CINEMAS』より
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飛んでいる渡り鳥を隣から撮影したものすごい映画。
鳥の視点-俯瞰-を体感できます。
そして、鳥たちの生命力に圧倒されます。
動物ドキュメンタリー映画流行の先駆けなのではと思い、海洋ドキュメンタリー映画の『ディープ・ブルー』とどちらの公開が早かったのかを確認したところ『WATARIDORI』の方が1年3ヶ月早かった。
ですが、ドキュメンタリー映画かと思いきや、実は完全ドキュメンタリーではありません。
撮影機材に慣れさせるために、ひな鳥のころから育てています。
その辺りはDVDの特典映像でご覧になれます。
鳥になった気分でご観賞いただければ、空を飛ぶ爽快感を存分に味わえます。
自然の摂理がもたらす残酷な痛みとともに。
Jacques Perrin(監督)(2003)『WATARIDORI』[DVD],フランス:ジェネオン エンタテインメント
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