WATARIDORI

1/1
前へ
/25ページ
次へ

WATARIDORI

― 多種多様な鳥が映し出される。 異様なほどの近距離で。 羽ばたく筋肉の動きまで見える。 数千キロ、種によっては南極から北極までを移動する渡り鳥たち。 列をつくり、懸命に羽ばたき、上昇気流に乗り、はるか上空から地平を見渡す。 太陽と星と、小さな体に備えられた磁場を感知する能力を頼りにして、美しくも過酷な自然環境の中を、ただひたすらに飛び続ける。 目的地に辿り着くために。 怖ろしいのは、彼らがそれを本能で行っているということ。 飛ばない、という選択肢は彼らにはない。 飛び立つ時期が来れば、迷いなく飛び立つ。 たとえ旅の途中で命を落とすことになるとしても― 『CINEMAS』より ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 飛んでいる渡り鳥を隣から撮影したものすごい映画。 鳥の視点-俯瞰-を体感できます。 そして、鳥たちの生命力に圧倒されます。 動物ドキュメンタリー映画流行の先駆けなのではと思い、海洋ドキュメンタリー映画の『ディープ・ブルー』とどちらの公開が早かったのかを確認したところ『WATARIDORI』の方が1年3ヶ月早かった。 ですが、ドキュメンタリー映画かと思いきや、実は完全ドキュメンタリーではありません。 撮影機材に慣れさせるために、ひな鳥のころから育てています。 その辺りはDVDの特典映像でご覧になれます。 鳥になった気分でご観賞いただければ、空を飛ぶ爽快感を存分に味わえます。 自然の摂理がもたらす残酷な痛みとともに。 Jacques Perrin(監督)(2003)『WATARIDORI』[DVD],フランス:ジェネオン エンタテインメント
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

96人が本棚に入れています
本棚に追加