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はじめに・・・・
私がミニシアターで映画を観はじめたころに持っていた映画の知識と言えば、超有名な映画や監督、俳優だけでした。
例えば、風と共に去りぬ、スピルバーグ監督、ブラッド・ピットなど。
ところが、ミニシアターの映画には知っている俳優が出ないので、演じている役柄のまま観ることができました。
つまり、新鮮な気持ちで映画の世界に没頭できたんですね。
これは映画を観慣れていない人に、見慣れるまでの短期間だけ与えられる特権のようなものです。
観賞本数が増えていくにつれ、知らなかった俳優が見たことのある俳優になり、そのうち見慣れてしまいます。「この俳優、こないだ観た映画に出てたなぁ」と。
同様に気に入った作品の監督名をチェックし、その監督の映画を観続けることにもなります。
それはそれで楽しいのですが。
あと、非常によくできた予告を信じて観た映画が、思っていた内容と違っていたり、難しかったり、好みに合わなかったり、意味不明だったりすることもあります。
そういう時、私は“わからないこと”を楽しみました。
「びっくりするくらいわからない・・・・」と呆然としながらパンフレットの解説なんかを読むのですが、やっぱりよくわからないんですね。
私の知識や価値観や好みや理解の範疇の外側にある“世界”がわからない自分に笑えてきました。
そして、興味があれば、歴史や宗教が関係する映画なら調べることは可能ですから調べました。
そもそもそれらの映画は、万人ウケしないと誰かが判断したからミニシアターでの上映になっているのだと思います。
逆に言えば、観賞者の好みに信じられないくらいピッタリ合った映画が見つかる可能性もあるのです。
私は幸運にも、私の美醜観に合致した監督に出会えました。
彼の映画を観ているあいだは他のことを忘れ、映画の世界に没頭できます。
それは私にとって間違いなく人生における幸せのひとつです。
そんな素敵な出会いが多くの方に訪れますように・・・・
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