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「あのー、とりあえずあなたは智恵美ちゃんにうちに来るって伝えたの? あの子のことだからこっちに事前連絡ぐらいすると思うんだけど」
恐る恐る喜美子がオメガに聞いた。
「その質問の答えは、否定である。なぜなら、私がここに来ること自体、私自身の独断で決行したのだから」
「じゃあ家出と同じじゃない。ちょっと智恵美ちゃんにも電話しなさい」
「そうだな、俺たちも話聞いてやるから智恵美ちゃんに連絡しなさい」
「・・・何で父ちゃんも母ちゃんも、そんな冷静にこんなやつと話できるんだよ」
両親と 今玄関の電話台に置いてある電話に 体から出た2本の黒いコードみたいなもので 明日は気を取り ボタンを押してどこかに電話をかけている黒い物体にを見ながら聞いたが、喜美子がしれっとした顔で答えた。
「だって形は違うけども、話が通じる相手だってすぐわかったもの。それにちえみちゃんが開発したってことはあの子の子供と同じだから、うちらにとっても親戚みたいなものだと思ったわけよ」
宏作にとってこの母親というのは、生まれてから25年間付き合っているが、未だに何を考えているのかがよく分からない存在である。
父親は とりあえず喜美子の話に乗ってみただけのようだ。
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