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オメガが開発者に連絡して今こちらに向かっていると言ったときに妙に静かなエンジンの音が聞こえてインターホンが鳴った。宏作が玄関を開けると何年ぶりかの従姉妹と顔を向かい合わせになった。
石垣ちえみは知的でクールな印象を与える美人 だが 久方ぶりのその顔には少々疲れが見え、それを隠すためにメイクをしているようだが、目の下のクマはうっすらと自己主張していたがそれよりも顔に出さないようにしているが、彼女から怒気が溢れていた。
「あ、その、いらっしゃい」
雰囲気に気圧されながらも宏作は挨拶をした。
「宏作さんオメガはどちらに? 見つけ次第回収いたします」
(変わってないなぁ、悪い意味で・・・)
必要な事柄以外は喋らない性格と仏頂面は今でも慣れない。彼女を見た友人の中にはクールビューティーだとほざく奴もいるが別の友人が言った直視したら凍りつきそうな冷たい人という意見に宏作は一票入れたい。
「あら智恵美ちゃんいらっしゃい。ずいぶん早かったじゃない?」
「今お茶を出すから・・・散らかってるけど座って座って」
息子のたじろぎ気づいたか知らないが、新田夫妻あくまで遊びに来た親戚の子供という扱い を保ち続けているそんな二人の変わらない態度に智恵美はいくらか熱が下がったようだ。
「いえ、お構い無く。すぐに帰りますから」
「まあまあせっかくお茶淹れたんだから飲んでって」
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